allegrogiken です。今回、Hashicorp社が提供する Terraform Associate を受験したのでその記録をお届けいたします。
Terraform Associate とは?
Hashicorp社が提供するIaCツール「Terraform」に関する公式の認定資格です。
内容はともかく、下のような形式なので英語が苦手な方には少しハードルが高い試験かもしれません。
- 英語のみ
- オンライン試験のみ
- 試験官とのやりとりも英語のみ
- 試験問題の多くは「正しい選択肢を選ぶ」形式
- 一部の問題は「テキスト入力で答える」形式
なお、2022年内に新バージョン(003)が登場する予定のようですが、10月に入っても特に動きが見えませんでした。従って、この記事は2022/10/10 で受験できるバージョン(002)を前提としています。
なぜ受験したのか?
Terraform は実務で触っているのですが、体系的な学習をこれまでしてこなかったためです。また、Terraform Cloud についても無知でした。英語&オンラインの試験を一度体験してみたいという気持ちもありました。
試験の流れ
予約した30分前から試験にチェックインできます。
チェックイン後には専用のソフトウェアをダウンロード・インストールすることになり、
そのソフトウェアが出してくる指示に従うことで試験が進みます。具体的には下記のような流れになります。
- ID(自分の証明書)を撮影する
- 受験環境の左右360°を動画で撮影する
- 受験環境の上下360°を動画で撮影する
- 自分の顔や服装全体についての動画を撮影する
- 受験環境のデスク全体を動画で撮影する
- 以上の作業に問題がなければ、試験が始まる
試験の間はカメラを通して監視されており、試験官とのテキストチャットをすることができます。試験官と音声を通して会話する必要はありませんでした。
環境ですが、「デスクを完全にクリアにする」「部屋に余計なものが映らない」のを解消するのが面倒だったので今回は玄関で受験しました。
試験官との会話は必要なかったので、外の人に不審に思われる心配がなくてよかったです。
外からの音がそこそこ入りますが、このくらいのノイズであれば特に突っ込まれることはないようです。
試験結果と受けた感想
96%の正答率で合格できました。そこそこ勉強した結果が反映されて嬉しいです。
結果としては、plan
や apply
などの各コマンドを打つ際の影響が具体的に頭に入りました。オペレーションに自信が持てるようになりました。トラブルシューティングや import
コマンドについても一定の素養が身についたと思います。
Terraform Cloud についても、便利だと思う機能がたくさんあることが分かりました。どういうケースに使うべきかの判断ができるようになったのは嬉しいですね。
問題の難易度としてはそこまで高くないように感じました。実際に運用をしている方であれば、腕試し的に受験しても合格できるのでは?という可能性も感じます。
なお、002 バージョンの試験はやや古いです。リファクタリングで使う可能性がある moved
ブロックなどについては出題範囲に入っていませんし、taint
や refresh
コマンドなど非推奨となっているものも出題されることには注意が必要です。登場予定の 003 バージョンの試験を受ける方が実用目線で良いと思います。
活用したコンテンツ・参考記事
最後に、学習時に活用したコンテンツと参考になった記事を列挙します。
今回は試験の合格というよりは「体系的な勉強」を目的としていたので、そこそこ多めです。
- Terraform公式のチュートリアル
- サンプルリポジトリを元にハンズオン形式で多くのことを学習できます。
- 試験の出題範囲は完全にカバーされており、全て学べば確実に合格できると思います。
- 記事によっては組み込みのターミナル(仮想環境)があったりと充実しています。
- 鮮度がまばらで、AWS Provider のバージョンがそこそこ古いものもありました。
- 物によっては M1 Mac で素直に動かないものもあるので注意が必要です。
- かなり量が多いですが、類似の記事や重複もいくつか見られます。適度にスキップしても問題なさそうです。
- 試験向けコンテンツの一覧もあり、合格を最短で目指すならここに基づいて学習を進めるのが早そうです。
- ローカルに立てたAPIサーバを Terraform を通して疎通する Plugin 入門もあって面白いです。
- Udemyの問題集
- 選択式問題の演習ができます。試験5回分の問題セットがありよい練習になります。
- 言語は英語のみになりますが、本試験も英語なのでちょうど良いです。
- 公式であまり演習問題が提供されていないのでとても助かります。
- 書籍: 実践Terraform
- 日本語で提供される Terraform の書籍としては先駆けで網羅性も高いものだと思います。
- 英語を読みたくない人はこの書籍から入門するのが良いようには思います。
- [資格受験]Terraform Associate を振り返る
- 受験記録を具体的に書き残して頂いている記事で、とてもわかりやすいです。
- 記事と同じように、パスポートの期限が切れていたので免許証を使いました。試験登録時には漢字表記で名前を入力する必要があります。
プロフィール
- D言語で競技プログラミングをやったりしています。お仕事では雑食です。devopsのdはD言語のDです。