大分前の出来事になってしまいましたが2023年1月末、AWS-DOP1に合格しました。

資格の概要や合格までにやったこと、取ってよかったことなどレポートします。
SAAを取得した次にSAPではなくDOPを取ったという少しマイナー(かもしれない)な体験記です。
AWSに興味がありとりあえずSAAを取ったのち、自動化とか興味あるけど、この次にいきなりDOP勉強するのってありなのかな?と迷っている方の参考になれば幸いです。

AWS-DOPとは

https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-devops-engineer-professional/ より

AWS Certified DevOps Engineer - Professional は、AWS 環境のプロビジョニング、運用、管理において 2 年以上の経験を持つ個人を対象とするものです。この試験を受ける前に、以下の要件を満たすことをお勧めします。

少なくとも 1 つ以上のハイレベルプログラミング言語でのコード開発、高度に自動化されたインフラストラクチャの構築、およびオペレーティングシステムの管理の経験
最新の開発および運用のプロセスと方法論に対する理解
AWS で継続的デリバリーのシステムと手法を実装して管理する能力
セキュリティ管理、ガバナンスプロセス、コンプライアンス検証の理解、実装、および自動化する能力
AWS でのモニタリング、メトリクス、ログ記録システムを定義し、デプロイする能力

後半の説明である通り、AWS認定の高レベル資格の中でもモダンなアーキテクトやCI/CD、自動化、IaC、組織・セキュリティ管理といったキーワードに関連する問題が多めに出ます。
2年以上の経験は受験に当たっては特に必須ではありません。
筆者の経験は合計1年ちょっとですし、普段メインで触っているものも普通のサーバあり構成ですが、その部分は学習には支障ありませんでした。

DOPとSAP、どっちを(先に)取る?

いくつかのブログで述べられているとおり、プロフェッショナル2冠狙いの場合はSAPを先に受験する方が安定しそうな印象です。

  • DOPの日本語教材がSAPより圧倒的に少ないこと
  • SAPの方が範囲が広いこと

がポイントだと思います。
先に学習効率の良い母国語でSAPの範囲を総ざらいしておき、後からDOPで特定のサービスを掘り下げて学習した方が学習効率は良さそうな感じでした。

▼参考
AWS DevOps Engineer Professional (DOP) 合格の勉強法
AWS SAPとDOPの取得を振り返ってみる

ただそもそもの話としてDOPを受験するメリットはやはりCI/CDや自動化、IaC、サーバレス...といったモダンな機能について学べるところだと思います。
筆者は内容に興味があったのと、n冠にあまりこだわりがなかったのでSAAの次にDOPを受験しましたが、2ヶ月程度の学習期間で合格することができました。
意欲がある、ご自身の目的にフィットするという方はいきなりでも決して無謀なチャレンジという訳ではないと思います。

AWS-DOPを取って良かったこと

  • 何かにつけて自動化できるんじゃないか、もっと楽にメンテナンスができるんじゃないか、という発想が沸きやすくなった
    • 実際にどういうツールを使ったらいいかも大体イメージがつくようになったので、会議などでアイデアを発言しやすくなった

--> 改善のアイデアが具体的に湧いてくるようになったのは嬉しい変化でした

  • SSMを使ってEC2インスタンスになるべくログインせずメンテナンスを行う工夫など、実践できたことで本当に運用が楽になった知識もあった
  • (筆者はCI/CDの実践が未経験だったので)AWSのCI/CD機能をざっと理解することでCI/CDそのものに対する大枠の理解ができた

--> のちにGithubActionsを利用したCI/CDの実装タスクを担当することになった際、このお陰であまり戸惑わずにタスクに取り組めました。(細かな実装方法などは全然違いますが・・・)

  • (オマケ)英語力が上がったので、翻訳されていないドキュメントを読む億劫さが少し減った。洋画も見やすくなった

以上です。あくまで筆者の体験ですが、上記のような内容にビビッと来た方にはおすすめの資格かもしれません。

AWS-DOP合格までにやったこと

比重の重い順に記載します。

1. Udemy模擬試験(75問)

利用方法

問題のパターンとサービス内容のインプットのために利用しました。
とはいえ最後まで解かないと回答解説が見られないという特徴があったので、平日3-4日くらいかけてまずはガーッと全て解きました。
(日をまたぐ時は受験を一時停止にしておきました)
全然わからない問題も多かったので、一周目はドキュメントなど調べつつ自分なりに理由のある回答を導くようにしました。
後から解説を読んで納得したり「なんで!?」と思ったりする記憶のとっかかりができたので、これは良い工夫だったと思います。
ただ一問一問全てそのように解いていると時間がかかって仕方がないので、
「自分はこのよく出てくるCloudFormationとかいうやつのことを何にも知らない・・・」など、サービス単位での苦手分野が分かってきたら中断してハンズオンの動画で一度体系的に学習し、効率をブーストしていきました。

言語の対策

全部英語でしたので、DeepLのChrome拡張機能で翻訳しながら解きました。
小さなポップアップウィンドウの中の翻訳文がたまにスクロールしづらくエディタに貼って確認したりしたので、細かい手間がかかるという点で効率は悪かったですが基本的に翻訳が自然で概ね正確だったので助かりました。

ただこれは後から気がついたのですが、Chrome標準の翻訳ボタンを利用した方が手間がかからず良かったかもしれません・・・。

Google Chromeのアドレスバーについている翻訳機能の画面写真です

先人のブログで「Google翻訳で」と書いてあるのを見てブラウザのGoogle翻訳にコピペしているのかと思い「猛者____」と思っていたのですが絶対これですね。お恥ずかしい。
筆者の二の舞にならないよう、便利そうな翻訳ツールについて先に調べておくのもおすすめです!

2. Udemy ハンズオン

利用方法

過去問を解いていて「このサービスはよく出てくるけど全然知らないので一回体系的にやった方がいいな」と感じたものをやりました。
筆者の場合はCode3兄弟、Cloud Formation、Elastic Beanstalkを特に重点的にやりました。
日頃ALBとASGとEC2と・・・といった普通のサーバあり構成を主に触っているような人は大体同じところが肝になるような気がします。

言語の対策

Udemyハンズオン動画の言語対策が一番苦労しました。
自動生成の日本語字幕があるのですが率直にいってナチュラルに読める文章ではなく、
筆者はリスニングが苦手なので耳からの補完にもあまり頼れず最初はもうほぼ何も頭に入ってきませんでした。
( Cloud xxx...が「雲のxxx...」とか訳されたりするのはまだいい方で、単純に英単語の時点で全然違う語を判定して謎の文章を生成してたりするのも見受けられました)

こればかりは特効ツールがなさそうに思ったので、受験勉強を本格的に始める前に地道にリスニングの勉強をしました。
これに関してはYoutubeが強い味方になってくれ、


こういったリスニングの練習動画や

解説動画

肉付けにKevin's English Roomを往復して見てました。
実際これらのおかげで結構キーワードが耳に入ってくるようになり、最後の方はハンズオン動画を1.25倍速で視聴しても耳が大体補完してくれるようになっていました。

3. 公式模試(20問)

難易度の高さに加え、日本語が大変怪しいです。
これは勉強が中途半端なうちは頭に問題文が頭に入ってくる気すらしなかったので、最後にチャレンジとして通してやりました。
受験前日に解いてギリギリ合格水準となる75%の正答率でした。
その日のうちに間違えた15%を見直してポイントを理解するところまでやって受験当日を迎えました。

4. (自分や他人の)勉強メモを見る

DOPは書籍やスマホからできる問題集が見当たらず、隙間時間に活用できるものがこれくらいだったのですが、これがかなり時間対効果を発揮してくれました。
特に先人が残せしこちらのブログがワンセンテンスでポイントを抑えてくれていて、この文章を頭の中で復唱するだけでも後々転ばぬ先の杖となってくれました。
(ひっかけに気がつきやすくなるみたいな感じです)
このメモを公開してくださったmn87さんありがとうございます!

AWS DOP 勉強メモ 1
AWS DOP 勉強メモ 2
AWS DOP 勉強メモ 3

当日やったこと

よく言われる一般的なTipsですが、結構効力を発揮したと思うのでこちらも書いておきます。

受験まで

  • 会場まで早めについておく
  • 3時間前ぐらいに食べ慣れたものを食べておく
  • 直前にお手洗いに行っておく

受験中

  • 最初は緊張しているから問題文が頭に入ってこないのは当然と捉え、焦らずフラグをつけてすぐ理解できる問題まで飛ばしていく
  • 集中が切れてきたら首を回したり10秒だけ目を閉じたりして肉体面から回復を図る
    • 試験時間が180分あるので、肉体的疲労のことも折り込んでおくと良い

結果

79%で合格でした。決して余裕とは言えませんが、合格は合格です!

所感

結構大変でした!
でも関心があった分野の知識はある程度まとめて得られたので満足しています。
受験費用33,000円(税込)と決して安くないので、筆者はひとまず申し込みをしたものの勉強の進捗度合いから合格目処がつくまで二度受験を延期しました。
これは良い判断だったと思います。
ピアソンVUEから申し込んだ場合、受験日時の24時間前までなら2回まで無料でリスケできたのでありがたかったです。
https://aws.amazon.com/jp/certification/faqs

学習にあたって先人の知恵に非常に助けられたので、この記事もどなたかのお役に立ったら嬉しいです。

プロフィール

Yuri Masaki
Yuri Masaki
WEBアプリケーションの設計実装、PM(O)など経て現職へ。どちらかというと話をまとめるとか仕様整理するとかの方に強みがあります。